ひざびさの

2015年5月23日 映画
久々に更新。
まったくマジックやってないです、てへぺろ。

なので映画の話でもしよう。

原題 12 Years a Slave 邦題 それでも夜は明ける。

1840年代、南北戦争が起こる少し前、黒人奴隷にされてしまった男の物語である。
主人公のソロモン・ノーサップは生まれながらのフリーマン(自由黒人)であったが、ある日に二人の男にはめられ拉致されてしまう。その後、黒人奴隷としてアメリカ南部に送られて行く。しかし、彼はフリーマン、つまりは身分が保障された人間ゆえに、それを証明し奴隷からの脱却をしようとするが当時の黒人奴隷事情によってそれは叶わなかった。それから月日が流れソロモンは南部の農場で働き始めるも、絶望的な現実を目の前に打ちひしがれて行く。家族の元へ帰りたいという彼の希望すら、奴隷としての日々が、その希望を忘却させていく。奴隷としての自覚が段々とソロモンの中に芽生えていくのを感じながら、彼はその意識と本来の自分との間での葛藤を募らせて行く。果たしてソロモンは元の自分を取り戻せるのだろうが?

というのが、この映画の内容です。

正直、見ていると吐き気がするほどに辛い映画です。
奴隷と白人という対立を描きつつも、何よりも辛かったのは奴隷は奴隷の生き方しか出来ない。という隷属意識の怖さである。とあるシーンでソロモンが白人達に首を釣られそうになるも間一髪という所で監督官に発見されて助けられるが、彼の首には縄がついたまま爪先立ちの状態で放置されてしまう。監督官は、ソロモンという人間を助けたのではなく、ソロモンという主人の資産を守ったのだ。半分つられた状態のソロモンを後目に日々の労働をしはじめる仲間達。そんな描写が続く。
当時の奴隷とは、人ではなく主人の物であって、自分達がどうこうする物ではないのだと、奴隷達もそれを理解しているゆえに何もしないし、それ以外の術を知らない。
逆に黒人奴隷を丁重に扱うこと自体が当時のアメリカ南部では異様な事だった。
正直かなり面を喰らった映画だった。監督のスティーヴ・マックイーンのカメラワークが印象的ゆえに、映画のワンシーンが頭から離れない。
この映画にはいくつか象徴的なシーンが出てくるのだが、どれを取っても儚いのである。絶望すら風化するほどに。

色々書いたけど、とても良い映画だった。気になる人は見てみると良いかもしれない。

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